草津温泉
高砂館

高砂館は地蔵の湯の目の前に建つ木造４階建の鄙びた宿です。日帰り入浴はできないので、以前から泊まってみたいと思っていた宿です。今回、ようやく念願が叶って泊まることができました。 　館内は磨き込まれた廊下や細工がなされた階段の手すりなど味わい深いものでした。 　食事は家庭料理の延長と言った感じのもので、旅館料理を期待していくと裏切られるかもしれませんがボリュームもあり、とても満足。観光目的ではなく、じっくりと湯を楽しみたい時に訪れたい宿です。

浴室は３つあり、横につながっています。これは男性用の内湯です。７〜８人が浸かることができる大きさで、地蔵の湯の源泉が注がれています。 　わずかに緑色がかった湯で、湯に浸かると白い湯の花が舞い上がってきます。

３つの浴室の真ん中にあるのが小風呂。２人が入るといっぱいになってしまう小さな湯船が３つ並んだ変わった造りです。高砂館の３つの浴室はどれも同じ仕組みになっているのですが、湯口に木の栓がしてあるのです。地蔵源泉はとても熱い湯なのですが、木の栓で湯量を変えることができるので、自分好みの湯温で湯を楽しむことができるのです。特にこの小風呂は少しずつ湯温を変えてあるので、ぬるめの湯から熱めの湯まで一度に楽しめるのがとても嬉しいところ。ぬる湯好きのhiroはぬるめの湯船でまったりとしてしまいました。

こちらは女性用の内湯。男性用の内湯にもあったのですが、なぜか浮き輪が置いてあります。この浮き輪で遊んでください、と言うわけではないのでしょうが、ちょっとした遊び心に微笑んでしまいました。

ご主人が亡くなり、女将さん一人で切り盛りされていたようですが、雪で建物が修復不可能なほどに傷んでしまったこともあり、とうとう　2014年夏に廃業されたようです。たくさんお世話になっただけに残念です。 　宿は近くの宿、「金みどり」が購入されたそうで、更地になっています。どんな施設ができるのでしょうか？ （１７．３）

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