強首(こわくび)温泉
樅峰(しょうほう)苑
強首の温泉街とは少し離れた場所、雄物川畔に建つ樅峰苑。宿に着いてみると、そのお寺のような佇まいに圧倒されます。元はこの地方の庄屋のお屋敷だったそうです。大正時代にお抱えの大工を京都まで修行に出し、数年かけて完成させたという建物は随所に細かな細工や仕掛けなどが施され、その財力のほどが伺われます。長い廊下の板は杉の一枚物。そして、夕食をいただいた広間は普段は柱で4つの部屋に仕切られていますが、冠婚葬祭に備えて、天井裏にある仕掛けを動かすと釣り天井になり、柱を抜いて大広間となるといった具合。思わず唸ってしまいました。 建物は現在、登録有形文化財に登録されているそうです。部屋はふすまで仕切られただけの昔ながらの造り。そこら辺が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、一度訪れてみても損はない宿かと思います。 |
浴室は奥にありますが、建物と違ってこちらは新しいもの。タイル張りの洗い場に7〜8人が浸かれる大きさの湯船が1つあります。赤みを帯びた緑色の湯がかけ流しになっています。湯に浸かるとたくさんの湯の花が浮かび上がってきます。ちょっと油臭のする湯を舐めると、しょっぱさの中にわずかに苦みのあるもの。食塩泉なので、湯上がりはとても温まり、いつまでも汗が引かないほどでした。 源泉は離れた場所にあり、そこから引湯しているので加熱はしているものの循環などはしていないそうです。そんな関係からか、深夜は湯に浸かれないのが残念なところでした。 |
夕食は大広間でいただきますが、その内容がまた素晴らしかったです。地のものを使った工夫された料理は、普通の宿ではなかなか出ないような物ばかり。タニシの鍋物やもずくがに(川がに)の唐揚げ、もずくがにのみそ焼き、もずくがにの身を使った冷やし玉子豆腐… また、鮎の塩焼きも出たのですが、焼きたてを出してくれるなど、熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たく出してくれるなど、その心遣いも嬉しかったところです。 宿泊料は食事の内容の違いだそうで、ちょっと奮発した方が満足できるのではないかと思います。この料理だけでも再びこの宿を訪れてみたいと思いました。 |
泉 質 | ナトリウム−塩化物泉 |
泉 温 | 53.2度 |
風呂の種類 | 内湯 |
設備等 | 休憩室 駐車場 |
所在地 | 秋田県大仙市強首字強首268 |
電 話 | 0187−77−2116 |
交 通 | 秋田自動車道 西仙北I.C.から7km、車15分 |
営業時間 (日帰り入浴) |
10時〜16時(休憩は11時〜15時) |
料 金 | 入浴¥400 入浴休憩¥800〜 宿泊¥11500〜 (06.8) |